オーガニックコスメとナチュラルコスメ、何が違う?

アンティークゴールドの鏡とガラス瓶、オーガニックコスメのイメージ オーガニックコスメ

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化粧品売り場やSNSで「オーガニック」「ナチュラル」「ヴィーガン」「ミネラル」という言葉を見るたびに、正直「全部同じようなものでは?」と思っていた時期がありました。

似ているようで、実は基準がまったく違います。今回はこの4つの言葉を整理しながら、フランスでBIOコスメと暮らす中で感じたことも交えてお話しします。

オーガニックコスメとは?ナチュラルコスメとの違いを一言で言うと

オーガニックは「有機栽培の原料」、ナチュラルは「天然由来の原料」という基準の広さの違いです。

オーガニックコスメの定義

オーガニックコスメは、農薬や化学肥料を使わずに育てた、有機栽培の植物原料を使って作られた化粧品のことです。「有機栽培かどうか」という、比較的はっきりした基準があります。

実際にパッケージを見比べてみると、「オーガニック」と書かれていても原料の何パーセントが該当するのかまでは表示されていないことが多く、文字だけでは判断しづらいのが正直なところです。気になる商品があれば、成分表示の上位に植物由来原料が並んでいるかどうかも、ひとつの目安になります。

ナチュラルコスメの定義

一方のナチュラルコスメは、できるだけ植物由来など天然の成分を使い、石油由来の合成成分を避けて作られた化粧品です。「天然由来であればいい」ので、オーガニックより範囲が広い言葉です。

実際には「天然由来成分○%配合」とパッケージに書かれていても、残りの数十%が合成成分というケースも珍しくありません。ナチュラルという言葉の自由度の高さは、選びやすさである一方、見極めの難しさでもあると感じています。

オーガニックコスメナチュラルコスメ
基準有機栽培の原料を使用天然由来の原料を使用
範囲比較的狭い・明確広い・あいまい
化学合成成分極力使わない極力使わない
ラベルのない2本のガラス瓶とアンティークゴールドの鏡

この基準、実は日本国内では法律で決まっているわけではありません。これについては後ほど詳しく説明します。

ヴィーガンコスメとは?動物由来成分を使わない化粧品のこと

ヴィーガンコスメとは、卵・乳製品・はちみつなど動物由来の成分を一切使わずに作られた化粧品です。

ヴィーガンコスメの定義

肌に直接触れるものだからこそ、何由来の成分が使われているか気になる、という方も多いと思います。ヴィーガンコスメは、原料の生産から製造工程まで、動物に由来するものを使わないという考え方で作られた化粧品です。

ちなみに、動物由来成分を使わない「ヴィーガン」と、動物実験を行わない「クルエルティフリー」は、似ているようで別の基準です。ヴィーガン表示があっても動物実験の有無までは保証されないことがあるので、両方を重視したい方は、それぞれの表示を別々に確認するのがおすすめです。

選ばれている理由(価値観・環境配慮)

日本のヴィーガンコスメ市場は、2025年に約12億ドル規模、2030年代半ばには20億ドル台へ拡大すると複数の市場調査で予測されています(IMARC Group等の調査による)。肌質うんぬんというより、「自分の消費が何に影響するか」を意識する人が増えていることの表れかもしれません。

ミネラルコスメとは?「ミネラル」の意味は食品とは別物

化粧品の「ミネラル」は栄養素ではなく、シリカや酸化チタンなどの天然鉱物を指します。

ミネラルコスメに使われる主な成分

ミネラルコスメという言葉を聞くと、なんとなく「ミネラルウォーター」のような栄養素をイメージしてしまいますが、実は別物です。シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカといった天然鉱物を主成分にした化粧品のことを指します。

こうした鉱物由来の成分は、肌への負担が少ないタイプのものを選びやすいと言われており、敏感肌の方や、メイクをこまめに落とせない日に選ばれることが多い印象です。ただし「ミネラル=低刺激」と一律には言えず、配合されている他の成分次第という点は変わりません。

基準が曖昧な点への注意

ここは少し意外だったのですが、ミネラルコスメには明確な定義や基準が存在しません。「ミネラルファンデーション」と書かれていても、実際には化学合成成分が多く含まれていて、普通のファンデーションとほとんど変わらない商品もあるそうです。パッケージの言葉だけで判断せず、成分表示も見る習慣をつけておくと安心です。

なぜ日本では「オーガニック」の基準がバラバラなのか

日本にはオーガニックコスメの法的な認証制度がなく、各メーカーが独自の判断で名乗っているのが実情です。

海外にはCOSMOS・ECOCERTという認証がある

フランスを拠点とするECOCERTのような認証機関では、COSMOS認証という国際基準があります。たとえばオーガニックの認証を受けるには、植物原料(オイルや抽出物など)の95%以上が有機栽培によるものであることに加え、完成品全体としても最低20%(シャンプーなど洗い流すタイプは10%)がオーガニック栽培原料であることが求められます。こうした厳しい条件をクリアして、はじめて認証マークがつけられます。世界80カ国以上、31,000点以上の商品がこの認証を受けています(2026年1月時点)。

これだけ厳格な基準をクリアするには、原料の調達から製造工程まで見直す必要があり、認証取得には相応のコストと時間がかかります。日本のブランドでCOSMOSやECOCERT認証を取得している例がまだ少ないのは、基準の厳しさだけでなく、こうした負担の大きさも一因なのではないかと感じています。

日本で見分ける際の注意点

一方、日本にはこうした統一的な認証制度がありません。「オーガニック」と表示すること自体に法的な罰則規定がないため、何をオーガニックと考えるかは、極端に言えばメーカー次第というのが実情です。だからこそ、気になる商品があれば、COSMOSやECOCERTのような海外認証マークがついているかを一つの目安にするのもおすすめです。

フランスではオーガニックコスメがどう選ばれているか

フランスでは女性の9割以上が年1回以上ビオ・ナチュラルコスメを購入し、約半数が「健康を守るため」を理由に選んでいます。

義妹の暮らしに見るフランス人の「自然なもの」志向

夫の妹は、肌の調子で気になることがあると、まず薬局(ファルマシー)で薬剤師に相談します。フランスの薬局は日本のドラッグストアよりずっと専門的で、コスメのことも相談できる場所なんです。

それから、彼女は休日になるとマルシェで新鮮な野菜を買い込み、家の近くの森にきのこ(シャンピニオン)を採りに行って、オムレツにして食べるような人です。コスメだけが特別「自然派」なのではなく、暮らし全体が自然なものに近いところにある。そういう土壌があってこそのBIOコスメ文化なのだと、近くで見ていて感じます。

以前、彼女の洗面台を見せてもらったとき、化粧水も石鹸も知らないブランドばかりで驚いたことがあります。「これ、どこで買ったの?」と聞くと、近所の小さな薬局やマルシェの一角で売っているような、日本ではまず見かけないものばかりでした。大手ブランド一辺倒ではなく、地域に根づいた小さな作り手のものを選ぶ感覚も、フランスのBIOコスメ文化を支えているのだと思います。

木製テーブルに置かれた新鮮な野菜と野生のきのこ

ECOCERT発祥国としての消費者の見方

ECOCERTがフランス発祥の認証機関であることも納得です。Harris Interactiveが「Slow Cosmétique」ラベルのために実施した調査(2022年)によると、ビオ・ナチュラルコスメを選ぶ理由は「健康を守るため」(47%)が「環境への配慮」(17%)を大きく上回っているそうです。肌への実利を重視する堅実な選び方という印象で、個人的にはとても共感します。

「オーガニックだから安全」は本当?知っておきたい誤解

オーガニック成分でもアレルギー反応が起こることはあり、「天然=無条件に安全」とは言えません。

天然成分でも刺激になり得る理由

オーガニックコスメは植物本来の成分をそのまま生かしているからこそ、人によってはアレルギー反応が出てしまうこともあります。「天然由来だから絶対に安心」というわけではなく、自分の肌に合うかどうかは、やはり個別に確認する必要があります。

新しいオーガニックコスメを試すときは、腕の内側など目立たない部分に少量つけて、1〜2日様子を見るパッチテストをしてから顔に使うようにしています。これは私自身、刺激を感じた経験があってから習慣にしていることです。

効果を感じるまでに時間がかかる傾向

もう一つ正直にお伝えしたいのは、オーガニックコスメは機能性化粧品と比べて、効果を実感するまでに時間がかかりやすい傾向があるということです。即効性を求めている方は、この点を理解した上で選ぶと、ギャップを感じにくいと思います。

結局どれを選べばいい?タイプ別の選び方ガイド

肌への優しさ重視ならオーガニック、価格重視ならナチュラル、価値観重視ならヴィーガンが選びやすい目安です。

乾燥・敏感肌が気になる人向け

成分の由来にこだわりたい方は、有機栽培という基準がはっきりしているオーガニックコスメから試してみるのがおすすめです。

ただし、オーガニックコスメであっても精油(エッセンシャルオイル)を多く含む商品は、香りが強かったり刺激を感じやすかったりすることがあります。敏感肌の方は、無香料タイプや、精油の配合量が控えめな商品から試してみると失敗が少ないと思います。

ヘリンボーンの床に並んだ3本のガラス瓶

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価格・続けやすさを重視する人向け

オーガニックほど基準が厳しくない分、ナチュラルコスメは選択肢が広く、価格帯も幅があります。続けやすさを重視するなら検討の価値があります。

環境・倫理面を重視する人向け

成分の由来そのものよりも、自分の消費行動が社会や環境にどう影響するかを大事にしたい方には、ヴィーガンコスメという選び方が合っています。

実際にECOCERT・COSMOS認証を取得しているブランドとしては、フランス発の「サノフロール(Sanoflore)」があります。1972年創業で、有機栽培のハーブ生産から精油の蒸留、化粧品の製造までを自社で行っている老舗ブランドです。フローラルウォーター(ローズウォーター)は化粧水前の導入や全身の保湿に使いやすく、オーガニックコスメを試してみたい方の入り口としてもおすすめです。

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まとめ|違いを知れば、コスメ選びがもっとシンプルになる

4つの言葉の基準を知っておけば、パッケージの表示に振り回されずに自分に合うコスメを選べます。

オーガニック・ナチュラル・ヴィーガン・ミネラル、それぞれ見ている軸が違うだけで、どれが一番優れているという話ではありません。自分が何を大事にしたいかが分かれば、選び方は自然と決まってくるはずです。

詳しくはプロフィールのリンクからブログもチェックしてみてください。

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