コスモス認証・エコサートとは?オーガニックコスメの認証マークの見方

オーガニックコスメ

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夫の実家はフランスにあって、帰省するたびに義理の家族の家に泊まります。洗面所に並んでいるのは、見慣れないラベルの化粧品ばかり。「BIO」「オーガニック」という文字は読めるのですが、それが何を意味しているのかは、最初の頃はまったくわかりませんでした。

同じような棚に、小さなマークがついている商品と、ついていない商品が並んでいます。値段もはっきり違います。でも、その場で義母に「これは何が違うの」と聞くのも気が引けて、なんとなく素通りしてしまっていました。

「オーガニックコスメ」と書かれていれば、それだけで安心して選んでいいのでしょうか。日本のドラッグストアでも同じような表示をよく見かけるようになった今、この疑問は他人事ではなくなってきました。今日は、フランスの家族との暮らしの中で少しずつ理解していった「認証マーク」の話をします。

義実家の洗面所に並ぶ見慣れないラベルの化粧品

コスモス認証・エコサートとは?まず両者の関係を整理

コスモス認証は欧州5団体が統合した国際的なオーガニック基準で、エコサートはその認証機関の一つです。

「コスモス認証」も「エコサート」も、オーガニックコスメの説明でよく登場する言葉です。ただ、この2つが並んで書かれていることが多いせいか、別々の認証だと思っている方もいるかもしれません。私もそうでした。実際には、この2つは深くつながっています。

コスモス認証を運営する「COSMOS Standard AISBL」とは

コスモス認証(COSMOS認証)は「Cosmetic Organic and Natural Standard」の略で、ベルギー・ブリュッセルを拠点とする国際非営利組織「COSMOS Standard AISBL」が運営しています。

もともとヨーロッパでは、国ごとに別々のオーガニックコスメ認証団体が基準を定めていました。ドイツのBDIH、フランスのコスメビオとエコサート、イタリアのICEA、イギリスのソイル・アソシエーション。この5団体がそれぞれの基準を持ち寄って統一したものが、現在のコスモス認証です。

COSMOS公式サイトによると、世界80ヶ国で3万1千点以上の製品が「COSMOS ORGANIC」または「COSMOS NATURAL」の認証を受けています(2026年1月時点データ)。原料への認証も含めると、5万4千点以上がCOSMOSラベルを取得しています。

エコサートは現在コスモス基準に基づき認証を行う機関

一方の「エコサート(ECOCERT)」は、フランス・トゥールーズに本部を置く認証機関で、世界130ヶ国以上で審査を行っています。

このエコサート、実はコスモス認証の設立メンバーの一社です。2002年から他の4団体とともに国際基準づくりに参加し、2010年5月にCOSMOS Standard AISBLとして正式に発足しました。つまり、日本でよく目にする「エコサートのオーガニック認証」は、コスモス基準に沿ってエコサートが審査・発行しているもの、と考えるとすっきりします。日本のブランドがエコサートを通じて申請する例が多いため、「エコサートによるコスモス認証」という組み合わせが定着しているわけです。

コスモス認証の基本ルールと2つの種類

コスモス認証には基準の異なる「コスモス・オーガニック」と「コスモス・ナチュラル」の2種類があります。

同じコスモス認証でも、実は2つの段階があります。パッケージのマークをよく見ると「ORGANIC」か「NATURAL」か書き分けられていて、意味するところがまるで違います。

その前に、どちらにも共通する土台を押さえておきます。コスモス認証は、有機農業で生産された原料の使用を促し生物多様性を尊重すること、天然資源を責任を持って使い環境に配慮すること、人の健康と環境に配慮した清潔な製造を行うこと、という3つを基本ルールとしています。

そして、遺伝子組み換え原料の使用、動物実験の実施、ナノ成分の使用は明確に禁止されています。この3点は、子どもがいる家庭では特に気になるところではないでしょうか。

化粧品のラベルを窓辺で確認する手元

コスモス・オーガニックの基準(オーガニック成分20%以上など)

「コスモス・オーガニック(COSMOS ORGANIC)」は、物理的に加工された農産物由来原料の95%以上がオーガニックであること、そして全配合成分のうちオーガニック成分が20%以上(洗い流すタイプの製品は10%以上)含まれていることなどが条件になります。ラベルにはオーガニック成分の割合を明記する義務もあります。

コスモス・ナチュラルの基準

これに対して「コスモス・ナチュラル(COSMOS NATURAL)」は、オーガニック成分の最低含有率が定められていません。自然由来原料を使い、環境負荷の低い製造方法を取ることが条件です。

つまり「コスモス認証を取得しています」と書かれていても、オーガニック成分がどのくらい入っているかは、ORGANICかNATURALかという一文字の違いで大きく変わってきます。

遺伝子組み換え・動物実験・ナノ成分の使用は禁止

先ほど触れた3つの禁止事項は、オーガニックとナチュラルの両方に共通する最低ラインです。逆に言えば、認証を受けていない製品でこれらがどう扱われているかは、私たち消費者の側からは確認しようがありません。認証マークの価値は、こうした「見えない部分」を第三者が確認してくれている点にあります。

項目コスモス・オーガニック(COSMOS ORGANIC)コスモス・ナチュラル(COSMOS NATURAL)
オーガニック成分の最低含有率全配合成分中20%以上(洗い流すタイプは10%以上)定めなし
農産物由来原料の条件物理的に加工された農産物由来原料の95%以上がオーガニック自然由来原料の使用が条件
ラベル表記義務オーガニック成分の割合を明記同様に表記義務あり
共通の禁止事項遺伝子組み換え原料・動物実験・ナノ成分の使用は禁止

なぜ日本ではコスモス認証・エコサートが目印になっているのか

日本には公的なオーガニックコスメ認証がなく、エコサートによるコスモス認証が実質的な目安として使われています。

日本にオーガニックコスメの公的な認証制度がない理由

これは日本の友人に話すと驚かれることが多いのですが、日本には国が定めたオーガニックコスメの認証制度がありません。

「有機JASマークがあるじゃない」と言われることもあります。けれど有機JASは農産物・畜産物・加工食品・飼料を対象にした食品向けの制度で、化粧品には適用されません(この点は後ほど詳しく触れます)。

国内にも独自基準でオーガニックコスメを認証する団体はいくつかあります。ただ団体ごとに基準がばらばらで、広く知られ信頼されているとまでは言えないのが実情です。だからこそ、オーガニックコスメの歴史が長いヨーロッパで確立された国際基準が、日本でも一つの拠り所として使われているわけです。

化粧品棚から一本を選び取る手元

フランスの家族から教わった認証マークの扱われ方(実体験)

義理の家族と一緒に現地のファルマシー(フランスでは薬局が化粧品を幅広く扱っています)やオーガニックコスメ専門店を回っていて感じるのは、認証マークが特別なものではなく「当たり前に確認する情報」として扱われていることです。義母が店員さんに「これはコスモス認証ですか」と聞くと、当然の質問として答えが返ってきます。

正直に言うと、私自身も最初は「認証があるかどうか」より「肌に合うかどうか」を優先していました。今でもその優先順位は変わっていません。それでも、家族が自然な手つきで裏面をひっくり返して確認する姿を何度も見るうちに、同じ「オーガニックコスメ」という言葉の中に、これだけ基準の幅があるのかと驚きました。値段の違いに納得できるようになったのも、この頃からです。

認証マークの見分け方チェックリスト

認証マークの有無を確認するだけで、自称オーガニックと第三者保証済み製品を見分けられます。

パッケージのどこを見ればいいか

コスモス認証を受けた製品には、認証団体のロゴマークと「COSMOS ORGANIC」または「COSMOS NATURAL」の表記が付きます。多くは成分表示の近くか、ブランドロゴの周辺に小さく記載されています(配置はブランドによって異なるため、一定の位置とは限りません)。

オンラインで買う場合は、商品ページの成分欄や商品説明のどこかに認証の記載があるかを確認します。書かれていない場合は、ブランドの公式サイトで確認するのが確実です。COSMOS公式サイトには認証製品を検索できるデータベースも用意されているので、気になったときはそちらで確認する方法もあります。

「オーガニック風」表示との違い

成分のごく一部にオーガニック由来のものを含んでいるだけで「オーガニック」と打ち出している商品も存在します。パッケージの雰囲気や、植物のイラスト、ナチュラルな色合いだけでは、この違いは見分けられません。認証マークの有無を見るのが、一番わかりやすい方法です。

マークがあれば、少なくとも国際的な第三者機関の基準をクリアしていることの目安になります。

ただ、認証マークがないからといって、その製品が劣っているわけではありません。認証取得には費用も手間もかかるため、質の高い製品であっても、あえて取得していないブランドはたくさんあります。国産の良心的なブランドにも、そうした例は少なくありません。

認証マークは、あくまで「選ぶときの判断材料の一つ」です。マークがあれば第三者が基準を確認してくれている安心があり、なければ自分で成分表示やブランドの姿勢を見ていく必要がある。それだけの違いだと考えています。

有機JASマーク・USDAオーガニックとの違い(混同注意)

有機JASマークは食品向けの日本の認証で、化粧品には適用されない点に注意が必要です。

有機JASマークは化粧品には使えない

「有機JASマーク」は、農林水産大臣が定めた基準に適合した生産者や工場に与えられる、日本の公的なオーガニック認証です。対象は農産物・畜産物・加工食品・飼料で、化粧品はそもそも含まれていません。

スーパーの野菜売り場で見慣れているマークだからこそ、化粧品にも当てはめて考えてしまいがちです。私自身、野菜や卵を選ぶときの感覚のまま化粧品の棚を見ていた時期がありました。

USDAオーガニック認証との違い(3段階基準)

アメリカ農務省(USDA)が管轄する「USDAオーガニック認証」は、全成分に占めるオーガニック原料の割合によって100%・95%以上・70%以上の3段階に分かれる制度です。

コスモス認証とは運営元も基準の組み立て方も違うため、どちらが厳しいと単純に比べることはできません。海外ブランドを選ぶときは、どの国のどの認証なのかを確認してから、その基準を調べるという順番が確実です。

コスモス認証を取得しているブランド例

THREEやHERMESなど、日本でも身近なブランドがコスモス認証を取得しています。

コスモス認証というと海外の専門ブランドを思い浮かべるかもしれませんが、日本の百貨店で手に取れるブランドにも取得例があります。

THREEは2019年にベーシックケアの「バランシング」ラインを刷新し、全アイテムでコスモス・オーガニック認証を取得しています。またHERMESの「レ・マン・エルメス」ハンドケアクリームは、エコサートによるコスモス・ナチュラル認証を受けています。

こうして見ると、認証は決して遠い世界の話ではありません。今使っているものの裏面を一度確認してみると、意外なところにマークが見つかるかもしれません。

なお、認証の取得状況はラインのリニューアルなどで変わることがあります。購入前にブランドの公式情報を確認すると確実です。

ドレッサーに並ぶシンプルな化粧品ボトル

ブランド/ライン認証区分認証機関
THREE「バランシング」ライン(2019年〜)COSMOS ORGANIC
HERMES「レ・マン・エルメス」ハンドケアクリームCOSMOS NATURALエコサート(ECOCERT)

詳しい発酵コスメの選び方は発酵化粧品おすすめ15選|菌種別の選び方と発酵×オーガニックの新常識でも紹介しています。

気になる方は、THREEの「バランシング」ラインもチェックしてみてください。

HERMESの「レ・マン・エルメス」ハンドケアクリームも、気になる方はのぞいてみてください。

よくある質問

コスモス認証・オーガニックコスメの認証マークに関する疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1. コスモス認証とエコサートの違いは何ですか?
A. コスモス認証は欧州5団体が統合した国際基準そのものを指し、エコサートはその設立メンバーであり、基準に基づいて審査・認証を行う機関の一つです。

Q2. コスモス認証はなぜ信頼できるのですか?
A. 遺伝子組み換え原料・動物実験・ナノ成分の使用禁止など、明確な基準を第三者機関が審査する仕組みだからです。ただし絶対的な保証ではなく、あくまで一つの目安として捉えるのが妥当です。

Q3. 日本にオーガニックコスメの公的な認証制度はありますか?
A. 現時点では存在しません。有機JASマークは食品向けの制度で、化粧品には適用されません。

Q4. コスモス・オーガニックとコスモス・ナチュラルの違いは何ですか?
A. コスモス・オーガニックはオーガニック成分の含有率(20%以上など)が定められているのに対し、コスモス・ナチュラルには最低含有率の定めがなく、自然由来原料の使用が条件になります。

Q5. 認証マークはパッケージのどこを見ればわかりますか?
A. 成分表示の近くやブランドロゴ周辺に、認証団体のロゴと「COSMOS ORGANIC」等の表記があることが多いですが、配置はブランドにより異なります。

Q6. 認証がなくても「オーガニックコスメ」と表示できるのですか?
A. 日本には化粧品の「オーガニック」表示そのものを規制する公的基準がないため、少量の自然由来成分を含むだけで表示している商品も存在します。ただし、根拠のない品質・効果を謳った場合は景品表示法上の問題となる可能性があります。

Q7. コスモス認証を取得している具体的なブランドはありますか?
A. THREEやHERMESなど一部ラインでの取得例がありますが、認証状況は変更されることがあるため、購入前に公式情報を確認するのが確実です。

Q8. 有機JASマークがあれば化粧品も安心と考えていいですか?
A. 有機JASマークは食品向けの認証であり、化粧品の安全性・オーガニック基準を保証するものではありません。

まとめ:認証マークは「選ぶときの安心材料」

認証マークは絶対的な保証ではなく、選ぶときの安心材料の一つとして活用しましょう。

日本には公的なオーガニックコスメ認証がありません。だからこそ、コスモス認証やエコサートのような国際基準を知っておくと、店頭で迷ったときの手がかりになります。

とはいえ、認証の有無がすべてを決めるわけではありません。マークがない良い製品もあれば、マークがあっても自分の肌に合わないこともあります。最後に頼りになるのは、成分表示を確認する習慣と、自分の肌の反応を見る目です。

義理の家族が当たり前のように裏面を確認するあの手つきを、少しずつ真似していけたらいい。私はそのくらいの気持ちで、認証マークと付き合っています。

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