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「発酵コスメ」「オーガニックコスメ」という言葉と一緒に、最近「常在菌ケア」という言葉も見かけるようになりました。菌活、育菌スキンケア、美肌菌…似たような言葉が並んでいて、正直「結局何が違うの?」と感じたことがあるかもしれません。
この記事でわかること
- 肌の常在菌(スキンマイクロバイオーム)がどんな役割をしているか
- 発酵コスメが常在菌に良いと言われる理由(殺菌ではなく”エサ”を与える仕組み)
- 常在菌を減らさないための生活習慣の見直しポイント
- 発酵コスメの選び方と、タイプ別のピックアップ
常在菌(スキンマイクロバイオーム)とは?肌を守る”良い菌”の役割
肌には数百億もの常在菌がすんでおり、代表的な”美肌菌”が潤いを守り肌のコンディションを支えています。
肌の表面には数百億個もの常在菌(スキンマイクロバイオーム、皮膚常在菌叢とも呼ばれます)がすんでいると言われています(種類数については「20種類程度」「1000種相当」など、分類方法によって情報源ごとに幅があります)。その中でも「美肌菌」として知られるのが表皮ブドウ球菌です。汗や皮脂をエサに脂肪酸やグリセリンを作り出し、脂肪酸が肌を弱酸性に保つことで黄色ブドウ球菌など肌荒れの原因になりやすい菌の増殖を抑え、グリセリンが肌にうるおいを与えるとされています。
敏感肌の方はこの常在菌の多様性が低く、美肌菌の割合も低い傾向があるとされる一方、美肌菌の割合が高い肌ほど水分量が高く、赤み(炎症)が少ないという報告もあります。つまり「肌に菌がいる」こと自体は不衛生なのではなく、むしろ良い菌がバランスよくいることが健やかな肌につながっている、ということです。
発酵コスメが常在菌に良いと言われる理由|殺菌ではなく”エサ”を与える仕組み
発酵で生まれる糖分が美肌菌のエサになり、間接的に常在菌のバランスを整えるとされています。
ここで誤解しやすいのが、「発酵コスメ=菌を直接肌に足すもの」というイメージです。実際の仕組みは少し違います。米麹や酒粕など糖分を多く含む原料を発酵させる過程でブドウ糖やオリゴ糖が生まれ、これがもともと肌にいる表皮ブドウ球菌などの美肌菌の”エサ”になります。エサが増えることで美肌菌が働きやすくなり、結果的に常在菌のバランスが整いやすくなる、と考えられているのです。
つまり発酵コスメは、新しい菌を植え付けるものではなく、もともと肌にいる良い菌を”間接的にサポートする”存在。この違いを知っておくと、「発酵コスメを塗ればすぐ菌が増える」という過度な期待をせずに済みます。
発酵食品を日常的に摂る暮らしと、肌の常在菌ケアの共通点
発酵食品を摂る食卓とビオコスメのある暮らしは、”菌との付き合い方”という点でつながっていると感じています。
正直に言うと、最初から発酵コスメに興味があったわけではありません。きっかけは、年齢を重ねるごとに食べるものや体の中の健康を意識するようになったことでした。味噌や酒粕、ぬか漬けといった発酵食品を意識して摂るようになり、その延長で「これだけ食べるものにこだわるようになったのに、化粧品はどうなんだろう?」とふと疑問に思うようになったんです。

お腹の中の菌を大事にするなら、肌の表面にいる常在菌も同じように大事にできるはず。そう考えたことが、発酵コスメに関心を持つきっかけになりました。発酵コスメへの興味は、こうして「食」への意識の高まりから「肌」へと自然に広がっていったものです(個人の経験です)。
常在菌を減らさないための、洗顔・生活習慣3つの見直しポイント
ゴシゴシ洗いを避け、洗顔・入浴の頻度を見直すだけで、常在菌バランスは整いやすくなるとされています。
美肌菌を含む常在菌は、日々の生活習慣の影響を受けやすいと言われています。特に見直したいのが次の3つです。
- 洗顔・クレンジングでゴシゴシ洗いをしない
摩擦は常在菌を必要以上に洗い流してしまう原因になり得ます。泡でやさしく包むように洗うことを意識します。 - 洗顔の頻度を見直す
1日に何度も洗顔をすると、良い菌まで洗い流してしまう可能性があります。朝はぬるま湯だけで済ませる、という選択肢も検討してみます。 - 長風呂を避ける
長風呂は肌の保湿成分(セラミド等)が流れ出やすく、乾燥を招くことが指摘されています。乾燥は肌のバリア機能低下につながり、間接的に常在菌のバランスにも影響すると考えられています。
これらはお金をかけずに今日から見直せる習慣です。発酵コスメを取り入れる前に、まずこの3つを意識するだけでも変化を感じやすくなります。
発酵コスメの選び方3軸|常在菌ケアを意識した商品選びのポイント
発酵原料の種類・シンプルな処方・自分の肌悩みとの相性という3軸で選ぶと失敗しにくくなります。

軸1. どの原料を発酵させているか(米・酒粕・乳酸菌など)
米、酒粕、豆乳、乳酸菌など、発酵させる原料によって期待できる働きが異なるとされています。保湿力を重視するのか、キメを整えたいのか、自分の肌悩みに合わせて原料をチェックします。目安として、コメ発酵液は保湿・浸透力、ガラクトミセス培養液はキメ・くすみ、酒粕エキスはハリ・美白、乳酸菌発酵エキスは敏感肌・常在菌バランスが得意領域とされています。
軸2. 処方はシンプルか
成分数が多すぎない、シンプルな処方の製品を選ぶことも大切です。肌に直接使うものだからこそ、安心して使えるかどうかを確認したいところです。あわせて、成分表示は配合量が多い順に記載されるルールになっているため、注目している発酵エキスがリストの前半(できれば1〜5番目以内)にあるかを確認すると、実際の配合量の目安になります。
軸3. 自分の肌悩み(乾燥・くすみ等)との相性
発酵コスメは万能ではありません。乾燥が気になる方、キメの乱れが気になる方など、自分の肌悩みに合っているかを確認してから選びます。悩みが複数ある場合は、まず一番困っている悩みに絞って成分を選び、それでも物足りなければ次の1本を変えていく方が、効果を実感しやすくなります。
常在菌ケアを意識した発酵コスメ、タイプ別ピックアップ
発酵原料ごとに向いている肌悩みが異なるため、タイプ別にいくつかピックアップして紹介します。

詳しい比較・全ラインナップはこちらの記事にまとめています。ここでは常在菌ケアという観点で特に相性が良いと考えられるタイプを紹介します。
| タイプ | 特徴 | こんな方に |
|---|---|---|
| 米麹系(例:アミノリセ/福光屋) | 日本酒造りの発酵技術から生まれた発酵米ぬか液を使用 | 乾燥・キメの乱れが気になる方 |
| 酒粕系(例:ワフードメイド 酒粕クリーム) | プチプラで続けやすく、しっかりした保湿力が特徴 | うるおい重視・コスパ重視の方 |
| 乳酸菌系(例:無印良品 発酵導入美容液) | 乳酸菌発酵エキスが肌の常在菌バランスをサポートすると言われています | 肌荒れしやすい・バリア機能を意識したい方 |
| ガラクトミセス系(例:SK-II フェイシャル トリートメント エッセンス) | 酵母の発酵代謝物ガラクトミセス培養液が主成分。約45年のロングセラー | キメ・くすみ・総合的な肌コンディションを重視する方 |
①米麹系:アミノリセ(福光屋)
日本酒造りの発酵技術に興味がある方には、アミノリセがおすすめです。
②酒粕系:ワフードメイド 酒粕クリーム
プチプラで続けやすい酒粕系のラインナップは、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
③乳酸菌系:無印良品 発酵導入美容液
肌荒れやバリア機能が気になる方には、無印良品の発酵導入美容液がおすすめです。
④ガラクトミセス系:SK-II フェイシャル トリートメント エッセンス
キメやくすみなど総合的な肌コンディションを重視する方には、SK-IIのロングセラーアイテムもおすすめです。
【実体験レビュー】発酵コスメと洗顔習慣を見直して感じた肌の変化
実際に発酵コスメと洗顔習慣を見直してみて感じた変化を、良い点も気になる点も正直にまとめます。

発酵コスメの中でも今回選んだのは、金沢の酒蔵・福光屋が手がける「アミノリセ」のクレンジングミルク・洗顔・化粧水です。日本酒造りの発酵技術から生まれた発酵米ぬか液を使ったシリーズで、「食」への関心から「肌」への関心が広がった今回の経緯にちょうど重なると感じて選びました。
使い始めてから、だいたい2か月ほどになります。
クレンジングミルクは、香りがかすかにお酒の匂いがするかしないか程度で、強さは感じません。普段は薄めのメイクなので十分に落とせていますが、しっかりメイクをされる方には物足りないかもしれないと感じました。ちなみに私が使っているマスカラはお湯で落ちるタイプなので、そのあたりの相性の良さもあるかもしれません。
洗顔料は、使ったあとしっとりとした感触が続き、「急いで化粧水をつけなきゃ」と焦る必要がないのが印象的でした。洗い上がりのつっぱり感が苦手な方には合いやすいと思います。
化粧水は、しっとりと肌に残るタイプです。私はどちらかというと脂性寄りの肌質なので、夏の時期は少し重く感じることもありました(個人の感想です)。乾燥が気になる季節には心地よく使えると思います。
コラム|フランスのビオコスメ文化と常在菌への向き合い方
フランス人の夫の実家での発酵食文化を通じて感じた、菌との付き合い方の違いをご紹介します。

フランス人の夫の親族に、数十年前からビオコスメを使い続けている叔母がいます。当時の私は、正直そのことにまったく興味がありませんでした。けれど今振り返ってみると、「ああ、あの人はずっと当たり前のようにビオコスメを選んでいたんだな」と気づかされます。
肌の常在菌ケアという考え方自体は、最近になって注目されるようになったものです。ですが「できるだけ自然なものを、シンプルに使う」という叔母の選び方は、結果的に肌にとって優しい選択になっていたのかもしれません(推測:本人にその意図があったかは確認できていません)。特別なことをしているつもりはなく、ただ長年の習慣として続けていた、というのが印象的でした。
よくある質問
Q. 常在菌とスキンマイクロバイオームは同じ意味ですか?
はい、ほぼ同じ意味で使われています。皮膚常在菌叢(スキンマイクロバイオーム)は、肌にすむ微生物の集まり全体を指す言葉です。
Q. 発酵コスメを使えば常在菌は必ず増えますか?
発酵コスメは常在菌に直接働きかけるというより、良い菌のエサになる糖分を届けることで間接的にサポートすると言われています。個人差があるため、必ず増えると断定はできません。
Q. 洗顔のしすぎは常在菌に悪いですか?
頻回の洗顔やゴシゴシ洗いは、良い常在菌まで洗い流してしまう可能性があるとされています。
Q. 常在菌ケアは敏感肌でも大丈夫ですか?
敏感肌の方はマイクロバイオームの多様性が低い傾向があるとされているため、常在菌ケアの考え方自体は敏感肌の方にも参考になりやすいと考えられます。ただし肌に合わない場合は使用を中止し、専門家に相談してください。
Q. 発酵コスメと普通のオーガニックコスメ、どちらを選べばいい?
どちらが優れているというものではなく、基準や考え方が異なります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
Q. 発酵コスメの効果はどのくらいで実感できますか?
保湿・使い心地の変化は1〜2週間、キメやハリの変化は3〜4週間が目安とされています(個人差があります)。即効性より継続が大切な成分設計のものが多いため、最低1本使い切るまで試すのがおすすめです。
Q. 肌の常在菌ケアと、乳酸菌サプリなど体内の菌活は関係がありますか?
両者を直接結びつける確立したデータは確認できていません。ただ、「菌を大事にする」という考え方自体は共通しています。まずは肌・体それぞれ無理なく続けられる範囲で取り入れてみるのがおすすめです。
まとめ
肌の常在菌は、それ自体が肌を守ってくれる大切な存在です。発酵コスメは、その常在菌を直接増やすのではなく、良い菌のエサになる成分を届けることで間接的にサポートしてくれると考えられています。
まずは洗顔・入浴といった日々の習慣を見直すこと、そのうえで自分の肌悩みに合った発酵コスメを選ぶこと。この2つを意識するだけで、無理なく常在菌ケアを始められます。
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